◆評価:★(10)
TITLE | G-onらいだーす(ジオンらいだーす) |
DATA | 2002年 |
STORIES | 全13話 |
目次
◆あらすじ。
謎の宇宙人の攻撃にさらされている昭和119年の地球。真田博士は、宇宙人の侵略から地球を守る最後の切り札として、次世代兵器”G-on”(ジオン)を開発した。そのメガネ型の兵器は、思春期の美少女が装着することで、少女が秘めた様々なトキメキを剣の形に具現化するというものだった。G-onに適合した3人の美少女・ユウキ、セーラ、ヤヨイにより結成された”G-onライダース”は、地球の危機を救おうと立ち上がる…。
◆メガネ率がハンパない。
まったく前情報もないままに視聴開始。作品のタイトルさえまともに読めず、心の中で「ジーオン・ライダース」と読んでいた。
なんでこれで「ジオン」と読むのだろうか? だったら「The-ON」の方が良かったんじゃない? と変な気を回してしまうくらい、中身についてはなにも語ることがない。
内容はあらすじのまんまである。「G-on」と呼ばれる秘密兵器の形状がメガネ。
だから戦う少女たちはメガネを装着。
とにかくメガネっ娘を愛でるために作られた作品である。
◆調べてビックリ。
あからさまなお色気シーン、メガネに異常なほど執着する設定。
あれ? どっかで感じた感覚だな……なんだこの変態臭。
もしかして……禁断のギネス級パンチラ作品『AIKa』と関係があるじゃないだろうか?
と、調査してみたところ、アニシエの勘はまったく外れてしまいましたが、それ以上のインパクトある事実を発見。
なんと、前回紹介した『ファイト一発! 充電ちゃん!!』と同じ監督でした。
木村真一郎監督。ファンの間では「キムシン」と親しまれているこちらの監督は、自他ともに認めるメガネっ娘好きなんだそうです。
はは。そうですか。
だからメガネっ娘がたっぷり出てくるし、メガネという素材を外せないような設定を強引に編み出しているのである。
凄いですね。ここまで自分の趣味を表現するために作品を自分好みに持っていく力技。
きっと昨今のアニメ業界では絶対にできないような荒業ではないだろうか。
キムシン監督の作品なのだから「メガネ全開」「お色気全開」なのは当たり前なのである。
誰得?
とかそういう問題ではない。監督がやりたかったのだ。つべこべ文句言うんじゃありません。
というわけで、全力でやりたいことをやりきった作品である。
それが視聴者にとってどのように受け入れられるか? そんなことは気にしないのである。
こういう我道を行く感じは、キライではないが、作品そのものの評価とはまた別の話であることも確かである。
◆声優について。
内容の薄味加減とは裏腹に、声優陣は個人的に好きな人が配役されていました。
司令官役に堀内賢雄さん。『ガンダムZZ』でマシュマー・セロを演じていましたね。素敵な声です。
本郷一朗(コスモ番長)役の檜山修之さん。熱血正義漢にピッタリの声優さんですね。
ガンダムつながりで『ガンダム08小隊』でシロー・アマダ役が個人的にはハマり役です。
女性陣で言えば田村ゆかりさんや釘宮理恵さんが悪役側で登場。
こんなに豪華なキャストだというのに……もったいないですねえ。
◆総評。
レビューを書く上でいつも気にかけていることは、データとしての数字(放送期間や話数など)を正確に記載することです。
なので、どれだけ知っている作品であっても、最終確認の意味をかねて公式サイトやウィキペディアなどで確認をとってます。
しかし本作については公式サイトがまったく残っていませんでした。この情報過多な社会において、これはこれでスゴイことだと思いますよ。
だいたい、どんな作品であってもどこかしらに公式サイトの痕跡のようなものが残っているものです。
ネット社会における有志が世界中のホームページを消える前に保管しようとしている「アーカイブス」にも本作は記憶されていませんでした。どんなドマイナーな作品であっても、少なからず「アーカイブス」にはあるだろう……と思っていたのですが、本作はありませんでした。
『G-onらいだーす』という作品は、まさにこれから「幻の」と言われるくらい情報が喪失し、人々の記憶からも消えていくのかもしれませんね。
しかしまあ残念ながら、たいして惜しくはないんですよね(笑)。
あ、だから残らないのか(辛口)。
80年代のパロディが豊富なので、それが好きな人は観てもいいかもしれませんが、楽しさについては保証しかねる作品である。
なぜなら「G-on」と呼ばれる兵器の成り立ちもよくわからないし、パロディも面白みに欠ける(致命的)演出のせいで滑っているようにしか感じられなかったからです。
お色気も、一昔前のキャラクターデザインということもあり、萌える絵柄ではないので、どちらかといえば無くてもいいくらいだと感じました。
と、あれこれ文句を言ってしまうと作品として残る部分がほとんどなくなってしまいます。
しかし、それでいいのである。
キムシン監督がメガネ好きを前面に押し出して悔い無く作り上げた作品である。
彼の本懐を遂げられた作品として、今後語り継がれていく……かどうかはあやしいですが、ひとりの男の妄執からでも作品は生まれるのだということを教えてくれる作品でした。
これで面白かったらよかったのにね(ミもフタもない)。
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◆「幻」となる前に希少種マニアの人は保護を願います。ていうか、他にもたくさんBlu-ray化したい作品がいっぱいある中で(笑)