FILE:008 Robotics ; Notes

評価:★★(25)

TITLE

Robotics ; Notes

(ロボティクス・ノーツ)

DATA 2012年

 

◆あらすじ。

2019年。世界線変動率「1.048596」

フォンドロイド―通称『ポケコン』の普及により、
拡張現実が身近な存在となった近未来の種子島。
そんな島にある中央種子島高校『ロボット研究部』は
廃部の危機に直面していた。

2名しかいない部員の1人で主人公の”八汐海翔”は、
こんな状況でも「ロボ部」に興味を示さず、
ひたすらロボット格闘ゲームに夢中。
そんな海翔を尻目に、
猪突猛進のダメ部長”瀬乃宮あき穂”は
「巨大ロボット完成」を目標に、
目下の危機である廃部を避けるべく奮闘していた。

ある日海翔は、
いつもゲームをしている宇宙ヶ丘公園で
女の子の声を聞き、『君島レポート』なる
A.R.アノテーションを発見する。
そこには君島コウという男による、
世界を巻き込む陰謀の告発が記されていた。

※引用元『 ロボティクス・ノーツ』公式サイト

 

 

◆おそらく誰もが注目していた作品。

 

もとはXboxやプレイステーション用のゲームとして制作されたアドベンチャー・ゲームである。

 

『科学アドベンチャーシリーズ』と銘打たれた作品群のひとつであり、数えて3作目となる。

 

ちなみに第1弾は『CHAOS ; HEAD(カオス・ヘッド)』、第2弾は『STEINS ; GATE(シュタインズ・ゲート)』である。

 

アニメ、ゲームともに傑作と謳われている『シュタインズ・ゲート』からの本作登場なだけに、当時の期待値としてはかなりのものがあった。

 

構成される要素としても『ロボット』『ミステリー』『青春』と、そそらない方がおかしいだろう、という枠組みである。

 

◆なにも知らずにミテミタ。

 

上記のような事柄は、いわば視聴後の後付として調べた結果のものである。

アニシエは今回、本作をなんの前情報も入れずに視聴した。

 

個人的には、想像していたような作品ではなかった。

 

より正確に言うと、前半から中盤までは予想の範疇であったが、後半はまったくもって予想外の展開であった。

 

◆残念ながら悪い意味で予想外。

 

では、その物語の変調ぶりが「こいつは1本取られたな! まさかそんなどんでん返しが来るとは!」という嬉しい悲鳴であったかというと、残念ながら答えは「NO」である。

 

そこで繰り広げられる物語は、文字通りの『超展開』であり、空いた口が塞がらないほどの視聴者置いてけぼり感を醸し出してのエンディングとなる。

 

◆良い部分があるだけに、もったいない。

 

中盤のミステリー的な謎解きと、自分たちが作り上げていくロボットが世界を救うというコンセプトは悪くない。

 

しかし、だとすると、前半の熱血部活動物語のほとんどが長い前置きとなってしまい、はっきりいって、もったいない。

 

ロボットを作る部活動という設定なのに、巨大ロボットを動かすための駆動系パーツにさんざん頭を悩まして、最終的な根本的解決がどこから降ってきたのか分からない謎のチート駆動系パーツを用いてしまうところも不可解な謎のままだし、民間用のロボットたちが突然暴走した(本当の意味での)引き金と理由も結局あやふやな説明で終わってしまっている。

 

さらに介護パーツ(HUG)をつけた主人公の姉的存在である伊禮瑞榎(いれいみずか)が、その暴走で死んでしまうところなんかも、そもそもの黒幕が操作していたとしたら、まったく逆効果な話となってしまう。

 

含みをもたせている伏線の、そのほとんどが回収され得ずに強引な力技で後半の物語は進んでいってしまう。

 

ようするに、辻褄が合わないのである。

 

◆大事なのはバランスだ。

 

全体的に『青春ラブコメ』『SFミステリー』『ロボットアクション』の、3つのバランスが悪いのだろう。

 

だからチグハグな印象しか受けないし、最終的に50億の命を救った壮大な話であるのに、なんの感動も得られないのではないか。

 

これら3つの絡まり合うテーマが自然で整合性のとれたモノであったら、かなり面白かったと思う。

 

だが、はっきり言ってボリューム過多で、その帳尻合わせの超展開が多すぎるという印象しかない。

 

ロボット製作の深いうんちくを取り入れて、思わず「へええ」と唸ってしまうような純粋な『ロボ部』の話が多少なりとも含まれていたならば、前半部分も楽しく視聴できた作品であろう。

 

その辺は、もしかしたら原作であるゲームの中では披露されているのかもしれないが、とてもではないがアニメで魅了されなかった作品の原点を探ろうという気にはなれない。

 

そもそもシリーズを通して設定されているはずの『世界線変動率』という概念がなくても、まったく物語に影響しないという意味でも『シュタインズ・ゲート』から楽しみにしていた視聴者としては大きな肩透かしをくらってしまう作品である。

 

◆総評。

メディアミックスの効果はあったのか?

媒体をまたぐ作品というのは、このご時世、なにも目新しいことではない。

 

だけど根本的な話として、その相乗効果をきちんと把握してメディアミックスを展開しているのかどうか、という点について目を向けてみると、意外に適当な作品が多かったりする。

 

どういうことかというと、今回の『ロボティクス・ノーツ』で言えば、

「ゲームをプレイすればもっと作品の世界を楽しめる」という作り方で終わっていれば、それは好ましいクオリティでのアニメ作品となっていたであろう。

 

だけど、アニメを観る限りでは「ゲームをやらないと世界観がよくわからない」という作り方になっているような気がするのである。

 

これはあまりいただけない状態である。

 

なぜなら、アニメを観た段階で『もっと知りたい』という欲求より『あまり面白くなかったな』という感想の方が先に立ってしまうからである。

 

あるいはゲームをプレイしてからアニメを観る、という順番であれば問題ない作りになっているのかも知れないが、それではただのファンサービスとしてのアニメとなってしまう。

 

今後もますますメディアミックスが活発になっていく社会にあって、これからの作品群にはぜひとも、どの順番でも楽しめるメディア展開を意識してもらいたいものである。

数々のオマケシーン。

『科学アドベンチャーシリーズ』をこよなく愛する人々にとっては、『カオス・ヘッド』と『シュタインズ・ゲート』に登場する人物たちが、ネット上のキャラクターとして本作に登場している(※一部はちょい役として姿もみせている)のは嬉しいオマケ特典である。

 

探す楽しみを残しておくため、ここでは詳細な記述は割愛するが、『ダル』『牧瀬紅莉栖』『西條拓巳』といったキャラクターをご存知の方は、それらを探すのもまた一興である。

 


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