◆評価:★★★(59)
TITLE |
ARIA The NATURAL(第2期) (アリア・ザ・ナチュラル) |
DATA | 2006年 |
目次
◆あらすじ。
みんなで騒いだ、あの大晦日から数日後。
アリア・カンパニーには、いつも灯里とメールをしているアイちゃんの姿がありました。
今日は、ネオ・ヴェネツィアに最も多く観光客が集まるという年明けのカーニヴァル。
後輩ウンディーネの灯里、藍華、アリスの三人の修業が終った後、みんなで街に繰り出す約束な
んです。もちろん、水の3大妖精と呼ばれているアリシアさんたちも一緒。
でも、よく見るとアリア社長の姿が見えない様な…。
◆15周年記念映画もやるよ!
アニメ放送15周年を記念して劇場版が上映されることなりました。
タイムリーですね。わざとじゃないんですよ。
(※以下略。詳しくは雑記の『ランダム視聴について』をご参照ください。)
劇場版のタイトルは『ARIA The CREPUSCOLO』(アリア・ザ・クレプスコーロ)
せっかくなのでトレイラー貼っておきます。
予告しておきますが、『ARIAシリーズ』はテレビ放映で3作(OVA入れると4つ)あります。
次回の3作目でも劇場版の予告をいれておくので、すでに観ちゃった人はスキップしてください(先に言え)。
◆『SFファンタジー』で『日常系』。
基本的な情報は第1期の方に細かく書いているので、全体の概要を知りたい方は『ARIA The ANIMATION(第1期)』のレビューをご参照ください。
本作は『ARIAシリーズ』の第2期となります。
元火星で作中では「アクア」と呼ばれている惑星にある観光都市ネオ・ヴェネツィア。
観光と公共機関の乗り物として水路を利用するゴンドラと呼ばれる小舟。このゴンドラを漕ぐ職業をウンディーネと言い、女性が就く(憧れの)仕事のひとつとなっている。
ヒロインである灯里は、ウンディーネとして一人前の証である「プリマ」へと成るべく、日々仕事に取り組んでいく。
美しいヴェネツィアを模した町並みを情感豊かに描く「ヒーリングアニメーション」として、さらに『日常系』の走りとして好評だった前作に後押しされる形で本作が放映されることになりました。
前作では主に世界設定への説明や、ネオ・ヴェネツィアについての話など、全体的な紹介エピソードが多かったのに対して、今回はより人間に焦点を当てた構成となっている。
というわけで『出会い』をテーマにして話が進んでいきます。
『SFファンタジー』らしく、幻想的な生き物との出会いなども散りばめられていて、現在主流となっている『リアルな日常系』とは一線を画している。
◆第2期のチェックポイント。
公式サイトや、制作陣のコメントによるとテーマは「出会い」なんですが、個人的には、それらの出会いによる「別れ」の方が印象的でした。
それは、もしかすると「ひとつの出会いから生まれる別れの瞬間まで」を丁寧に描いているからかもしれません。
詳しく書いていってしまうと(あまり起伏のないアニメなので)それだけで全容がわかってしまうので、テーマに対する言及は抽象的にとどめておきます。
なんとなく観ていて、出会いと別れがあって、それでもネオ・ヴェネツィアという街には同じように季節が巡りゆく……。
そんな情感を感じて楽しむのが、『ARIAシリーズ』を堪能する一番の視聴スタイルかもしれません。
よりキャラクターの物語にフォーカスしていると感じた点は、ヒロインたちの先輩である『水の三大妖精』こと、アリシア・晃・アテナの視点が盛り込まれている部分ですかね。
後輩の学び方、先輩の教え方、そしてそれぞれの気苦労。
誰のスタンスで視聴してても「わかるわぁ~」と共感できる部分があるでしょう。
自分がどのキャラ(=ポジション)視点で視聴しているのかがわかるので、それはそれで別の楽しみ方としてありですね。
◆総評。
予想よりも、ほんの少しだけ評価は上がった。
『日常系』のシリーズというものは、そもそも同じことの繰り返しなわけで(それが持ち味なんだけど)書くことがあまりなくなってくることが多い。
しかし、前述したとおり、本作では様々な「出会い」と「別れが」があり、エピソードのそれぞれがしっかりと楽しめる作りになっていたので、物語性という点でもって、評価を上方修正いたしました。
心なしか、自分のペースものんびりとなる作品です。
それはつまり、イラっとくる「明るく・正しい・清らかな世界」という胡散臭さを感じさせないような作り方が成されている、ということではないだろうか。
これはなかなかに不思議な感覚である。なぜなら、ヒロインである灯里のような「キラキラ・ステキ大好き少女」が近くにいたら、さぞ鬱陶しいだろうと思うからである。
このキャラはウザいなあ、と思いつつも、視聴するぶんにはぜんぜん気にならない。
灯里という癒し系キャラは、2次元だからこそ許容できる性格であり、それを巧みに演出してほどよい物語に仕立て上げていることが、さらなる好評価のポイントである。
ながらで観ても、普通に観ても、安心して楽しめる作品だと思います。
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