◆評価:★★(30)
TITLE | UG☆アルティメットガール |
DATA | 2005年 |
STORIES | 全12話 |
目次
◆あらすじ。
21世紀初頭の東京。
怪獣と呼ぶにはさして攻撃性も無く、マニアックな姿をした巨大怪獣が周期的に出現していた。
人々は恐怖に震えているかといえば、そんなこともない。
謎の巨大ヒーロー“UFOマン”が必ず怪獣を倒してくれるからだ。
いつしか、怪獣とUFOマンとの闘いは大相撲の取り組みのように人々の生活に馴染んでいた。
そんなある春の平和な午後。
UFOマンと怪獣がいつものように戦闘を開始する中、井ノ頭公園を歩いていた女子高生、“小春野白絹” “鳳ヴィヴィアン” “諸星つぼみ”の3人。
彼女たちは不幸にも戦闘に巻き込まれてしまって…!?
◆恐ろしいほど情報がない。
この情報化社会において、少なからずTVアニメとして放映された作品にしては、あまりにも情報がない。
なぜだ? スタッフみんながこの作品を無かったことにしたいとでもいうかのように、ネット上に有益な情報がありませんでした。
内容としては、主軸に『ウルトラマン』のパロディが存在し、その中でお色気シーンやら、声優・古谷徹氏にちなんだパロディが挿入されていくというものである。
主人公となるヒロイン3人は、不慮の自己でUFOマン(※ウルトラマン的な存在のキャラ)に踏み潰されてしまう。
そこでUFOマンが命を分け与えて、彼女たちを『アルティメットガール』として怪獣退治に強力させるという、『初代ウルトラマン』の第1話まんまのお話である。
深夜アニメらしく、素晴らしい(又はアホらしい)変身ギミックが加味されていて、巨大化した少女たちのコスチュームは、時間とともに溶けていくという仕様である。
ここまで説明しているだけでアホらしくなってくる作品である。
◆色々ともったいない作品。
コスチュームが溶けていくことをカラータイマー代わりにしたのは面白い。
古谷徹の自虐的な自作ネタ(アムロや星飛雄馬)も楽しい。
どうしようもなく下品でエロイ怪獣たちも、まあいいだろう。ドリフ的な感じで面白い。
しかし、いかんせん全体的な作画がひどすぎる。
普通、変身ものの作品であれば、いちばん労力を注ぐはずの変身シーンが(それもメインヒロインのそれが)作画的にひどすぎる。
顔と体のパースが合っていない。だから全裸に近い変身シーンなのに、まったく萌えない。
パースの狂いが気になってしょうがないのである。
バンク※1として使い回すはずの映像がしょぼいというのは、作品としてちょっと致命的ではないでしょうか?
(※1バンクとは、戦闘シーンや変身シーンなど、使い回しのきく映像シーンのこと)
◆総評。
もともと15分のアニメ枠という変則的な企画で作られた作品である。
この企画にどれほどの予算が組まれたのかはわかりませんが、そうとうに厳しい経済状況で作られた作品なのだろう、ということは伝わってきました。
本来、伝わってきちゃいけない部分なんですけどね(笑)。
とりあえず全部観終わった感想としては、「なにがなんでも古谷徹(出演作のパロディ)でがんばって最後まで持っていこう!」というスタッフの掛け声が聞こえてきそうなほど、古谷さん頼りなのがハッキリわかる作品である。
そして、この泥舟(失礼!)的作品にあって、あえて最後まで全力で挑み続けた同氏に拍手したくなりました。
というわけで全体の感想としては、「低予算をやり繰りし、どうにかこうにか「エロ・アホ・パロディ」を追求してみた、封印レベルの実験作」という感じでした。
古谷徹さんの大ファンであり、彼の出演作ならばすべて視聴したい! という人にはオススメできますが、それ以外にはちょっと……あ、ドリフが好きなら観れるかも……。
……現代っ子には何を言ってるのかわかりませんね。
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◆痺れるほどの低予算っぷり!怖いもの見たさでどうぞ。