◆評価:★★(20)
TITLE | Aチャンネル(エーチャンネル) |
DATA | 2011年 |
目次
◆あらすじ。
トオルは、るんのことが大好きで彼女が通う高校を受験する。
合格したことを一番にるんに伝えようと彼女の部屋にやってくると、そこには、るんと見知らぬ女の子と抱き合っている姿が…。
スーパー天然娘なるん、るんが大好きなトオル、冷静な(?)ツッコミ役のナギ、 怖がりでいじられ役ユー子、4人のゆるゆるとしたハイスクールライフがはじまる!
◆これはちょっと……。
『きらら系』の作品であり、原作者は黒田bbさん。
原作マンガがどれほど面白いのかは知らないが、残念ながら、アニメとしての本作はあまりオススメできる要素がない。
また、アニメを先行して視聴したわけだけど、その後に「原作を読みたい」とも思えずに最終回まで到達してしまった。
本作品を簡潔に定式化するとこうなる。
「ひだまりスケッチ」+「あずまんが大王」+「萌えキャラ」ー「面白さ」
=「Aちゃんねる」
なんといいますか……色々な所から売れそうなエッセンスをパクってきて(失敬)、いいとこ取りで合体させてみました、という感じが最後まで拭えませんでした。
あるいは、日常系というジャンルの特性上、同じような展開の作品がいっぱいあっても問題ないのではないか? とも思えるし、じっさい似たような作品がたくさんあってもぜんぜん構わないと思っている。
ではなぜ、本作はそれが低評価につながってしまったのか?
それをこれから記していこうと思います。
◆色々とあざといんだなぁ……。
最初、この作品を知ったとき、売れそうな絵柄なのにどうして話題にならないのだろう? と不思議に思っていたが、観てみてその理由はハッキリと理解できた。
ようするに他作品(それも同じマンガ雑誌内)のいいとこ取りをしているようで、それぞれの本家に何ひとつ勝っていないからではないだろうか。
そして、さらにがっかりさせるのが、最終話とその前(通称ラス2)の回。
なんと2回連続で『夢オチ』を連発しているのだ。
なんだこれは? なぜ2連続夢オチ? どんな意味があるんだ?
たとえば、今敏監督の『パーフェクト・ブルー』や、『涼宮ハルヒの憂鬱』で描かれているエピソード『エンドレスエイト』などと言った、夢オチの繰り返しが重要な意味を持つような作品であるなら構わない。
だけど、この作品は日常系であって、サスペンスやミステリーではないし、そもそも2連続の夢オチに対して、連続していることに意味(や納得のいく解釈)がない。
ネタがないなら放送するな、と言いたい。
そして、ネタがないという話であれば、毎回毎回、尺を稼ぐための(そしてCDを売るための)声優ソングタイムが入ってくるという謎の構成。
ただただ、CDを買わせようという卑しさしか滲み出てくるものがなかった。
あるいは、熱心なファンであるならば、この毎度流れる挿入歌にもむせび泣くほど嬉しく感じる人もいるのだろうけど、日常系を観てクスっと笑いたいと思っている(大半の)視聴者にとっては、それほどありがたいものではない。
エピソードがないんですかね? あるいは作画が追いつかないのですかね? と変な勘ぐりばかりしてしまい、その回の話の内容がすべて飛んでいってしまう。毎回違った挿入歌なので、やはり気になってしまって話の内容が記憶から飛んでいってしまう。
◆いいところも少なからずはある。
かなり辛辣なレビューになってしまいましたが、内容はともかく目をみはる素敵なシーンが多少はありました。
制作はStudio五組。名前の由来は元GONZO5スタのメンバーで独立したことにちなんでいます。つまり、映像技術に関しては素晴らしい人々が集まっているわけである。
中でも好評価なのは、原作者黒田bb氏の色使いをアニメでも忠実に再現しようとしている点です。
内容がどうであれ、その作品の世界観を丁寧に描いていこうとする姿勢には好感がもてます。
夕焼けの描写、桜が舞い散る美しさなど、実写に引けを取らない美しさを感じられました。
『ひだまりスケッチ』のようなポップで平面的な構成とは対象的に、写実的で丁寧な作り込みがなされている部分は、本作で評価できる部分のひとつである。
◆総評。
女の子同士が語らっているのが無性に大好きだ! という人にはオススメです。
物語後半で挿入歌が入るのを許せる人も視聴できるでしょう。
アニシエは残念ながら、本作の魅力がなんであるのか? それを見出すことができませんでした……。
日常系アニメを流しつつデスクワークするのはキライじゃないんですけどねえ……。
残念です。
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◆きらら系の中でもかなりの長寿まんがでした。