◆評価:★★(20)
TITLE | かのこん |
DATA | 2008年 |
STORIES |
全12話 |
目次
◆あらすじ。
田舎で祖父と2人で暮らしていた純朴な少年・小山田耕太は、都会の学校『薫風高校』に最近転校してきた高校一年生。
新しい環境、新しい学び舎で緊張するであろう転校初日。耕太は見知らぬ先輩に告白された。
彼女は、学校で一番と噂される美少女、源ちずる。
自慢の大きな胸で所構わず耕太にアプローチをかけるちずるだが、彼女には誰にも話せないヒミツがあった……彼女は○○だったのだ!
◆ライトノベル最強の寸止め作品。
本作で評価できるのは、ライトノベル界と官能小説とを融合させることに成功した話題作としてのみである。このあとのラノベにおけるひとつの主流として『エロのみ』に特化した作品群が登場するが、その源流となる作品のひとつである。
ということで、内容は推して知るべし……である。
主人公の気弱な男の子、耕太くんが、エッチなことがしたい源ちづるに攻められるというのがメインストリーム。
また、ハーレムっぽい要素がありますが、最後に誰を選ぶのかという展開にならず、エンドレスでラブコメが続いていくという、男の妄想における理想郷を実現させている作りが、エロに耐性のない中高生から人気を博した理由の一つだろう。
なんでこれで成人指定じゃないの? と首をひねるほどエロいですが、ヒロインが妖怪という設定のため、いろいろな検閲を免れている……のかもしれません。
よう知らんけど(笑)。
端的に言ってしまえば、年中エッチなことを求めるヒロインに、弱気で優柔不断な主人公が翻弄される日々を描いた物語ということです。
まあ、とうぜん『エチィシーン』がメインとなるため、ストーリーに語るべきところは微塵もなく、話は単調である。
だが、この作品のファンは、そんなことは絶対に気にしないだろう。
◆エロいとはいえ、思春期の青少年向け。
問題はどれだけエロいかどうかですが、本作はエッチな場面が多く、際どい描写もあるため、はっきり言って変態的にエロいと言えます。
ただ、エッチな場面のバリエーションに乏しいため、すぐに慣れてしまいます。
いくら好きだからといって、毎日三食ケーキばかりは食べられないように、ワンパターンな繰り返しに食傷気味になります。
ヒロインが主人公を押し倒してエッチなことをせがみ、主人公があせりながらもイチャイチャする……そうしていると寸止めで毎回邪魔が入る、というパターンが繰り返されるため、正直飽きます。
この辺の、これでもか! というエロの多投は『AIKa』や『クイーンズブレイド』と同じですね。
やりすぎると耐性ができてしまい、ちょっとやそっとのエロではありがたみがなくなってしまうのです。
また、ヒロインの性格が悪い。だから魅力を感じないし、萌えもしない。
だから、エロいシーンも記憶に残らない。
色々と勿体ないキャラ設定だなあ、と思います。主人公に対してデレデレ、しかし他の人に対しては横柄で横暴、そして口も悪い。まあヒロインというよりはビッ●として描いているのでしょうかね。
それなら納得するのですが、これがメインヒロインなの? とおじさん的には引いてしまいました。
エロ目的での視聴には適してい部分もあるし、ターゲットとする視聴者層もある程度いるのでしょう。だから評価としては★×2ですね。
ストーリー性を重視したい人にはオススメできません。原作ファンと、自分の欲望を抑えきれない中高生のお供としては最良かもしれません。
◆総評。
ということで、本作を一言で説明するならば『地上波の放送コードぎりぎりを綱渡って、無事に放送し終えた奇跡のエロアニメ』です。
ヒロインは痴女。もしくはビッ●と呼んでも差し支えないだろう。
主人公は共感度ゼロの軟弱ボーイ。受け身が身上。作中いいところはまったくなし。
まあ、据え膳喰ってしまう男では話が成り立たないのだろうけど、この主人公のような男が世の中に存在するとは、とてもじゃないが思えない。
だから、共感する部分がないので、薄ら寒いお色気だけが後味悪く残ってしまう。
相手がオールオッケーな女性(妖怪だけど)だというのに、ためらう理由がまったく分からない。
たとえば「女性恐怖症である」、というような設定があればまだ良いが、基本的に健全な少年であり、スケベなことが嫌いなわけではない。
健全で、手を出せない設定もないのに、手を出さない男なんていないだろうに。
これを観て何かを得ることはない。
ひとつだけ言えるのは「こんな内容で本が出せるのか」ということ。
あまつさえアニメ化までされるのだ、という事実が凄いです。
いったいどんな購買層に指示されているのか?
……ラノベは奥が深い。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。
<執筆者:アニシエ>
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