◆評価:★★★(55)
TITLE | うぽって‼ |
DATA | 2012年 |
STORIES | 全10話 |
目次
◆あらすじ。
新任の現国教師が赴任した青錆学園は、銃器(初等部はサブマシンガン・中等部はアサルトライフル・高等部はバトルライフルで分類)の子女が通う学校だった。さらに、教師達も現国教師を除く全ての教師が銃器である。
◆隠れた良作。
放送当時はなにかと『擬人化』がブームであった。『艦隊これくしょん』は言うに及ばず、『刀剣乱舞』や、もっと遡って『ヘタリア』などなど。
秋葉原の街が擬人化ポスターで溢れかえっていたなあ、と当時を懐かしく思い出します。
で、そんな中、本作は『銃』を題材にした異色作となっている。
シンプルに言ってしまえば『擬人化された銃火器美少女たちが銃火気をネタにしてボケたり突っ込んだりする学園コメディアニメ』である。
当然ながら銃に関するウンチクも満載です。そして、この博覧強記な銃への執着こそが、もっともこの作品の面白い部分でもある。
思わず「なるほどねえ」と感心してしまう知識の数々は、原作者である天王寺キツネ氏の銃に対する愛情の発露となっている。
銃が好きすぎて、銃に萌える自分の情熱を擬人化という手法によって昇華させているわけである。
登場するキャラクターたちは、見た目も行動も可愛い普通の女の子ですが、あくまでも『アサルトライフル』であり、銃としての本分を守って生活しています。
……書いていて思ったけど、視聴したことない人がこれを読んでもまったく意味が分かりませんね(笑)。まあ、擬人化というのはそういうものです。
彼女たちは銃なので、ジャム(銃における弾詰まり)を起こせばお腹を壊す。撃ちすぎると体が火照るし、部品の結合が甘いと服がずり落ちたりします。こういった銃ならではの特性を表現するのに、きちんと美少女を起用する意味を付け足しているのが絶妙である。
なので、人間ではなく銃であるはずなのに、妙にエロかわいい。
それぞれの銃の性格も開発国のお国柄を反映してバラエティに富んでいます。
銃を分解する=下着姿になる
という、お約束的な安定のお色気シーンもきちんと用意されています。
本作はとくに銃に詳しくなくても十分に楽しめると思います。詳しくなくていいけれど、銃がある程度好きであれば、より楽しく見れるでしょう。
お色気要素もいいですが、個人的には銃火器の細かなうんちくが普通に勉強になりました。
◆総評。
最初、絵面を観たときに「これはダメだ。間違いなくギブアップ・コースだ」と、そう思った第一話。
(ギブアップの条件については、こちらの記事『ギブアップについて』を参照ください)
それでもまあ、作業用の賑やかしだと、ながら視聴を続けた結果、これがそこそこ……いやけっこう面白い作品であったという驚きの評価になりました。
銃器を擬人化したアニメなんだから、戦闘シーンくらいあるだろう、と思って期待していたのだが、その戦闘シーンが出てくるのがもの凄く遅かった。たしか5話目くらいだ。
擬人化銃器の日常だけで終わっていたら、間違いなくギブアップだったが、なんとなく観続けていて良かった。
戦闘シーンは、かなり玄人好みの地味な戦闘。
ちなみにこの言葉は褒め言葉である。
決して派手なことはせず、兵器であることを軸に据えた、本格的な『制圧戦』が展開される。
萌えキャラが渋い戦いをする。
これは、かなりいイイ!
原作者の銃への愛情がひしひしと伝わってくる作品である。
全10話という中途半端な話数に思わず「打ち切り?」と勘ぐったが、最初からこの予定だったようだ。
主人公のふんこ(FNC アサルトライフル)の第一印象も、それほど魅力的だと思えなかったのだが、観ているうちに、だんだん可愛く見えてきて、最終的にはぜんぜん「アリ!」な可愛い子になっていました。
というわけで色々と、嬉しい方向に期待を裏切られた作品です。
ミリタリー界隈の擬人化の歴史は以外と古いらしいのですが、玄人受けする部分をしっかり残しつつ、現代風にアニメ化して成功している良い例ではないでしょうか。
ただ、銃のうんちくは、確かに専門的すぎるので、興味のない人にはあまり刺さらないかもしれません。
アニシエは大好物でしたけどね。
これぞまさしく『隠れた良作』である。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。
<執筆者:アニシエ>
アニメをたくさん観たい! そんなアナタににオススメの動画配信サービスとは?
記事内関連商品のご案内。
『うぽって‼』Blu-ray(全5巻セット)
◆溢れる銃器への想い。そして可愛い銃たちに魅了されたい方は必見です!
原作コミック『うぽって‼』全12巻セット。
◆銃の魅力に取り憑かれた人へ。さらなる銃の知識を楽しくゲットできます。