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◆『フィギュアヘッズ・エース』稼働終了。
先日、ツイッターから悲しいお知らせが流れてきた。
アーケードゲーム『フィギュアヘッズ・エース』が2018年8月31日をもって可動終了、というものだ。もちろん公式アカウントでの発表である。
稼働開始からおよそ一年という、かなり短命なゲームとなってしまった。
『フィギュアヘッズ・エース』の詳細については公式サイトを見ていただくの一番だが、とりあえずあらすじと動画を記載しておく。
20世紀の終わりーー
地球の衛星軌道上に接近した巨大隕石により
世界は未曾有の恐怖と混乱を迎える。
落下した隕石により地上は有害な成分で覆われ、
人類は地下シェルターでの生活を余儀なくされた。地下での生活に退屈した若者は
「2Foot」と呼ばれる無人ロボットを操作して
戦わせる遊びに興じていた。「BOTgame」と呼ばれるその遊びは世界中で流行の兆しをみせ、
様々な企業、団体が武器や装甲の開発、販売を行うようになった。その頃、地上では人知れず、
無人ロボットによる資源争奪の戦争が勃発していた。傭兵たちが敵味方に分かれて争う激しい戦いの中で、
「2Foot」の操縦に対して特異な才能を持つ者たちが現れる。ー 人々は羨望と畏怖を込めて、彼らを「エース」と呼んだ。
※引用元「フィギュアヘッズ・エース」公式サイト※2019年6月18日「フィギュアヘッズ・エース」公式サイトの閉鎖を確認(涙)。
ようするに、ロボットを操作して対戦するアクションゲームである。
アニシエが稼働初日からプレイしたゲームであり、少なからず熱中もしたゲームが儚いその寿命を終える、というのはなんだか感慨深いものがある。
こう書くと、ずいぶん大げさな言い方になってしまうが、実のところは最近ではめっきりプレイしなくなっていたので「え? もう終わっちゃうの?」というあっさりした驚きのほうが、より的確な表現となる。
感慨深い、と言ったのは『フィギュアヘッズ・エース』の可動終了というニュースそのものよりも、広く一般的なロボット・アクション・ゲーム(通称:ロボゲー)における、あまりに不人気で過疎り気味な世間的風潮を指して出た言葉である。
『フィギュアヘッズ・エース』の、いわば本家とも言えるPCオンライン・ゲームであった『フィギュアヘッズ』も、じつは最近(2018年6月30日)サービスを終了している。
システム的にはほとんど同じであり、勝敗のルールが違う、という程度の差異しかなかったわけだが、ここから類推するに、どうにもロボゲーとしての魅力が双方ともに少なかったのかもしれない。
アニシエがなぜ『フィギュアヘッズ・エース』をプレイしなくなったのか?
少しばかりその理由を考えてみるのだが、それほど大きな決定的理由があるわけでもない、という結論に行き当たる。
ゲームそのものは楽しかったし、オンラインで見知らぬ人と協力して戦うというのも、個人的には勝敗に関係なく、総合的には満足のいくものであった。
もちろん自分が足を引っ張ってしまったり、誰かがミスをして負けてしまうこともある。
だが、それこそがオンラインで(ソロプレイ同士で)遊ぶ醍醐味でもある。
一糸乱れぬ戦術で相手と戦いたい、という人は仲間を募ってチームを組めばいい話であり、ソロで遊んでいる人の大半は、無言のうちに連携して勝利できるという、ニュータイプ的であり、スタンドアローン・コンプレックス的な勝利の瞬間を味わうために遊んでいるのである。
まあ、ほんと、たま~にしか味わえない瞬間ですけどね。
というわけで、さしたる理由もなくプレイしなくなっていったわけだが、おそらくこういう風になんとなくプレイしなくなった人が増え続けていった結果、稼働終了ということになってしまったのだろう。
◆アーケードゲームの3大ロボゲーについて。
『フィギュアヘッズ・エース』があれば四天王、だったのだが、残念ながら8月いっぱいで終わってしまうので、残りの代表的なロボゲーを列記しておく。
№01『機動戦士ガンダム 戦場の絆』
2006年から可動しているオンライン対戦型ゲーム。
1チーム最大8人で、合計16人での対戦が可能。稼働当初は1プレイ(対戦回数2回)500円という、かなり高額なゲームであった。
『p.o.d.』と呼ばれる半球状の筐体に入ると、そこにはガンダムで見たようなレバーとペダルがあり、それをガシガシと動かして操縦する。そして全天周モニターのようなプロジェクターで映し出される映像は、まさしくモビルスーツに乗っている感覚を疑似体験できる設計となっている。
とうぜん折り紙つきのガノタであるアニシエは、稼働開始とともに専用カードを作り(300円)、大人の力でもって500円を連続投入していくことになったゲームである(当時はまだ未婚であった)。
ちなみに2018年現在では、相場として1プレイ300円で安定している感じである。
順調にバージョンアップを重ねていき、操作にも慣れてきた頃、同志と呼べる知り合いもちらほら増えていった思い出深いゲームであるが、ある時期を境にしてほとんどプレイをしなくなっていった。
古参のガノタには素直に喜べない機体が増えていく。
そもそも『戦場の絆』の最大の醍醐味は『一年戦争を疑似体験できる』という点にあった。
アムロやシャア、それからOVA作品『第08小隊』や『スターダスト・メモリー』、その他の公式外伝の数々……。
それらのモビルスーツを操作しつつ一年戦争を戦い抜くというのが、このゲームの面白さであった。
しかし、近年のバージョンアップで予期せぬ(つまり企業の利益優先のような)一年戦争と無関係な機体がラインナップされてきたことにより、だんだんとプレイする気力を無くしていってしまった。
『ガンダム ビルドファイターズ』の機体が登場してきた時点で、一年戦争を遊びたい、という(アニシエの個人的な)当初の目的はほとんど果たされない状況になる。
さらに直近では『ガンダム ユニコーン』の機体までが登場してしまっている。
ユニコーンに関しては、順を追って(つまり『ゼータガンダム』や『ダブルゼータガンダム』と進化していって)ステージがバージョンアップしていくのであれば納得できる話ではあるが、いきなりゼータやキュベレイをすっ飛ばしてシナンジュを出されてしまうと、ハッキリ言ってゴッコ遊びをしている身としては興が冷めるのである。
まったく同じ理由でアーケードに昔あった『機動戦士ガンダム 連邦VSジオン』が『ガンダムVSガンダム』という全員集合ゲームになった時点でプレイするのをやめてしまった。
現在、こちらのゲームは『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス マキシブーストON』という、大盛りマシマシメガ盛りのっけ丼みたいな名前になって現役稼働しているが、けっこうな盛況ぶりである。
おそらく世界設定を大事にしたゲームで遊びたい、と思っているアニシエのような人間はきわめて少数派なのだろう。
そんなわけで、3連撃からのクイック・ドローや射撃タックルなどといった、知らない人には呪文にしか聞こえない技の数々を、大枚はたいて会得したにもかかわらず、現在ではまったくプレイしなくなってしまったのである。
それと、これは個人的にかなり大事なことだと思うのだが『戦場の絆』におけるアバターのセンスがヒドすぎる。
どうカスタマイズしてもダサいのである。
これも(決して小さくはない)プレイしなくなった要因のひとつである。
№02『スティールクロニクル』
2011年より可動開始。厳密に言えばロボットではなくパワードスーツである。
しかし、そのフォルムやカスタマイズ性などを考慮に入れると、ロボゲーとしての要素はきわめて多い。
アーケード・ゲームでは珍しく、基本的に対戦ゲームではなく、最大4人での協力(=Co-op)ゲームである。
内容は『鋼鉄虫』と呼ばれる正体不明の生物との戦いであり、ランクが上がるごとにストーリーの全貌が見えてくる、というものである。
アニシエは戦場の絆が混み合っているときに、ふらっと時間つぶしに遊んでみたのがキカッケである。
以来、ゲームの操作性、カスタマイズの自由さ、アバターの可愛らしさ(キャラデザ:凪良氏)、そしてシンボルチャットの面白さであっという間にファンになり、戦場の絆よりもスティールクロニクルを優先してプレイするようになる。
さらに言うと、過去もっともゲームを通じて友達が増えた作品でもある。
しかし2018年現在、サービス終了の公式発表はないものの、もはやゲームとしてはほとんど絶滅危惧種のような扱いでの運用となっている。
アップデートそのものも、細かい新武装などの追加があったのが、最新のもので2015年である。
今からざっと3年前の話である……え? もうそんな経つのか! 調べてみてビックリである。
公式サイトでは(全盛期のころは)新しい敵キャラや、フライトシステム実装、はては戦場の絆のような巨大ポッド型のマシーンと連携して遊べる……などなど、魅力的な未来予想図を展開していただけに、絶滅の危機に瀕している現況はなんとも痛々しい限りである。
アニシエの近隣のゲームセンターでは、ほぼスティールクロニクルの筐体は撤去されてしまい、遊ぼうとすると秋葉原まで繰り出さなければいけないまでに設置店舗が激減してしまっている。
まあ、アップデートも公式ツイッターも止まってるような状態なんだから仕方ないんですけどね。
出張先でも夜になると近くのゲームセンターまでタクシーを走らせてまで遊んでいたゲームであるだけに、なんだか切ない気持ちで胸がいっぱいである。
もしかしたらPS4でリニューアルしてコンシューマー向けにリバイバルするんじゃないか……という淡い期待も、年末ジャンボ宝くじで1億円当たるくらいの奇跡まで、その期待値は下がってしまっている。
いつなんどき、日本からスティールクロニクルが無くなってもおかしくない……などと考えると、とつぜん無性にやりたくなって秋葉原へ行ってしまうアニシエであった。
№03『ボーダーブレイク』
2009年より稼働しているサードパーソン・シューティングゲーム。
サードパーソンとは『三人称』のことで、ようするに自分の操る機体のうしろ越しに見るような視点でのゲームを指す。よく目にする『FPS』ゲームというのは『First Person Shooting』の略であり、自分のキャラクターなどが存在せず、完全に主観(=見た目)の視点でゲームが進行するタイプのことを言う。
メインの戦闘は10対10の対戦型である。『ブラスト・ランナー』と呼ばれている多種多様なロボットを操りながら、自分のコアを守りつつ、相手のコアを叩くという、攻守の戦術が必要な、まさにロボット大好き人間にうってつけのゲームとなっている。
余談ではあるが、同じくサードパーソン・シューティングゲームである『スティールクロニクル』稼働初期に、「ボーダーブレイクのパクリじゃないか」という議論が吹き荒れたのだが、どちらもプレイしてみたアニシエからすると、結論としては似て非なるもの、という印象が強い。
あっちは協力ゲームであり、こちらは対戦である。
それぞれに面白さがあり、きちんと互いに線引された領域で共存できるような関係性だったと(今でも)思っている。
話を戻すと、近年のバージョンアップでは、協力プレイのみで対戦はしないモードなども追加されているようだが、ここ数年の『ボーダーブレイク』についての動向は、じつのところあまり詳しくはない。
アニシエのプレイ期間というものが、そもそも『スティールクロニクル』をはじめる少し前くらいであり、しかもそれほど長い期間(つまり年単位での)プレイをしていたわけでもないからである。
なぜ、それほど短期間しか遊ばなかったか?
それはアニシエの身体能力に起因する。
ゲーム内で視点変更をするさいの、マウス操作による細かい画像のブレに激しく酔った経験があり、それ以来、『ボーダーブレイク』の筐体には一度たりとも近づいていない。
これは単にアニシエの三半規管の問題であり、ゲームとしては面白く、短期間ながらそこそこの金額を注ぎ込んでもいた。
しかし、いかんせんゲームで酔うというのが初体験であり、その気持ち悪さが想像を絶していたせいで、もはや恐怖から近づけない、というのが本音である。
『戦場の絆』でも『スティールクロニクル』でも、どれだけ連続プレイしてもゲーム酔いになることはなかった。
きっとアニシエの身体的な何かとの相性が悪いのだろう。
ロボゲーならではの、細かいパーツの組み合わせは3つのゲームのうちで最も多い。
言い換えると、初心者にはどのパーツをどう組み合わせるのが最適なのかはまったく分からない。
初心者クラスであれば、テンプレ的なカスタマイズでもそこそこ遊べるので問題ないが、中級クラスに進むに連れ、シビアなパーツ選択が必要になってくる。
しかしまあ、そこまでハマれば、自ずとネットで調べはじめることでもあるので、最初は気にせずプレイすることをオススメする。
バージョンアップや細かい仕様変更などもコンスタントに行われており、2018年現在では、3つのゲームのうち、もっとも元気のあるゲームとなっている。
※2019年6月8日追記。
アーケード版『ボーダーブレイク』もいよいよ2019年9月9日をもってサービスが終了するという公式発表がなされた。
これで実質生き残っているのは『戦場の絆』のみとなってしまった……。
◆PS4へ移植決定!『ボーダーブレイク』の一人勝ちか。
2018年8月2日に『ボーダーブレイク』のPS4版ソフトが発売される。
公式サイトはこちら。※サイトの動画が重いので要注意。
なんというか、上記3つのロボゲーをプレイした身としての感想は、
「そうか、生き残ったのはコイツだけか……」という嘆息混じりの苦笑である。
よりにもよって相性最悪なゲームのみが隆盛を極めているとは……。これはもはやアニシエに「ゲームをするな」というゲーム神からのお告げなのだろうかと、うがった妄想すらしてしまう。
しかし、公式サイトのムービーを観ると、やはりカッコイイです。
どうしよう……無理を承知で買ってみるか……非常に悩んでいる今日この頃である。
基本料金は無料。
カスタマイズ用のパーツやアバターのデザインなどが今後有料で配信されるようである。
基本的に自宅でネトゲをはじめてしまうと、他の一切の業務と日常生活に支障をきたす恐れがあるのと、我が家の大蔵大臣(=妻)がそんな豪遊を許さないであろうことから、すぐさま遊べるような環境ではないのだが、やはり少しくらいは遊んでみたい。
アーケードとの相違点など、もしプレイした方がいたらぜひ感想をお寄せくださいませ。
コナミにあと少しの体力(と希望)が残されているのなら、『スティールクロニクル』もコンシューマー向けにリバイバルしてほしいものである。
ほんと、頼みますよコナミさん。
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『ボーダーブレイク スターターパック』PS4版
◆ロボゲーとしてはかなりイイ線いってるゲーム。興味のある方はプレイしてみよう(酔わない程度に)。