FILE:005 俺の妹がこんなに可愛いわけがない(第一期)

評価:★★★★(75)

 

TITLE 俺の妹がこんなに可愛いわけがない(第一期)
DATA 2010年

 

◆あらすじ

ごく普通な男子高校生・高坂京介は、数年前からスポーツ万能、学業優秀な妹・桐乃とはろくに挨拶もかわさないという冷え切った関係になっていた。
ある日、京介は萌えアニメのDVDケースが玄関に落ちているのを発見する。興味に駆られた京介が持ち主を探すと、それは意外な人物のものだった…

引用元:「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」アニメ公式サイト。

 

◆個人的には★×5でもいい!

 

★×5でもいいかな、と思ったが、広く一般的な視野に立ち返ってみると、これはやはり4つが妥当であるという気がする。

 

なぜなら、本作においてアニシエが面白いと反応する部分について、よくよく考えてみれば、ある程度のオタク的素養が備わっていなければ笑えないシーンが多いからである。

 

原作がライトノベル(以下ラノベ)であり、『妹属性』『アニメ』『ゲーム』『ネット』というキーワードで綴られていく本作は、そもそもの視聴ターゲットがオタクであることを前提としている。

 

つまりは同好の士による同好の士のための作品なわけであり、内容の細部において「意味がわからない」と思ってしまうノーマルな人種に向けて親切な解説がついているほど優しく作られているわけではないからだ。

 

◆アニシエ的ラノベ王道パターン

 

 内容はまったく異なるが、設定として非常に類似している作品と比較してみて、その面白さの傾向を分析してみよう。

 

アニシエが個人的に共通項があると感じている代表的な作品が2つある。

 

 『僕は友達が少ない』と、

『中二病でも恋がしたい!』である。

 

これら3作品に共通の要素というのはなにか? それを列記してみる。

 

  1. オタク(属性的な)自分を隠す。
  2. 主人公の(あるいはヒロイン等の)オタ属性について肯定的である。
  3. オタクとしてのジレンマ。
  4. 物理的あるいは心理的に距離が離れてしまうラブロマンス。
  5. 周囲との軋轢。それが叱責や応援に変わり、恋仲が進展する(ような含みをもたせた)終わり方。

 

なんとなく、この5つの要素にアニシエは惹かれてしまうようである。

 

それが何故なのかと言われれば、それは「アニシエがオタクだからである」という、当然の帰結へと収斂(しゅうれん)していく。

 

 『収斂』なんて立派な言葉を使うことをためらうくらい、当たり前の話である。

 

 

◆ヒロインの行動が、我がことのように思える。

 

メインヒロインである高坂桐乃。

 

彼女が自分のオタ属性をひた隠しにする所や、その反動で自宅では生き生きと開放感全開で趣味に没頭する姿。

 

さらには秋葉原において、そこが心のふるさとであるかのように楽しく歩き回る姿。

 

そして趣味を分かり合える友達が極端に少ないこと。

 

おおよそ大半のオタク人(びと)であれば、程度の差こそあれ思い当たるフシが見受けられて、思わず笑ってしまうだろうし、またおおいに肯けるのではないだろうか。

 

コメディである都合上、簡単に友達ができるところや、才能チート系なのは問題ではない。

 

努力・友情・勝利が売りの某少年誌ではないのだ。

 

細部のリアルさを追求するあまり、小気味よい展開のリズムを崩すくらいなら、最初から最強設定で望むというのは潔いし、普通人である主人公(桐乃の兄である高坂京介)の凡庸さが、より一層デフォルメされて分かりやすい対比となっている。

 

◆禁じられた恋。

 

ストーリー上で展開される恋愛模様の中で、そのメインストリームとなるのが兄妹同士での恋愛という、アニメで描くにはいささかヘビーなテーマとなっている。

 

作風自体がコメディタッチなので、終盤までそれほど意識せずに観ていられるのだが、後半には、そのタブーに対する葛藤がしっかりと描かれていく。

 

それがはたして異性として愛情なのか、それとも家族としての愛情なのか、その狭間で揺れ動く京介と桐乃の心境が、第二期へと続いていくわけだが、このあたりのエピソードも好悪が分かれる部分ではないだろうか。

 

あくまでフィクションとして、あるいは古典文学的な視点で兄妹愛を観れる人にとっては、とても面白い作品であるが、実際に兄や妹のいる人が観るときに、どれくらい拒否反応がでるか、ひとりっ子のアニシエには漠然としか想像できない。

 

なので、やはり万人にオススメということはできない作品ではあるが、総評として言わせてもらうならば、

 

 オタクであって、それを隠して生活しなければいけない人にとっては、非常に共感できる面白い作品である。ということだけは言えるだろう。

 

個人的には第二期も楽しみである。

 


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